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トップページ » 眼の健康情報 » コンタクトレンズのメリット・デメリット

コンタクトレンズのメリット・デメリット-有村眼科 有村 仁志-

1.コンタクトレンズのメリット・デメリット

 コンタクトレンズは屈折異常を矯正する医療機器です。 同じく屈折異常を矯正する眼鏡と異なる点が、即ちコンタクトレンズの利点・欠点になります。
 まず、コンタクトレンズは目に直接乗せて視力を矯正するため、見え方が自然です。 特に、近視や乱視の度数が強い方ほど、眼鏡に比べ、楽な見え方になります。 視界も広く、スポーツにも向いています。
 美容的な面でも、他の人には、コンタクトレンズを入れているかは分かりません。 職種的に眼鏡が好ましくない方にも向いています。 また、カラーコンタクトレンズは、瞳の色や大きさを変えることができ、視力矯正と同時に、美容目的にも使えます。
 遠近両用のコンタクトレンズの登場は、老眼世代の方には朗報です。 慣れれば老眼鏡なしに、遠くも近くもある程度見ることができます。
 このようにコンタクトレンズは眼鏡に比べても優れた点は多いのですが、では欠点は何かというと、目にとって“異物”であることです。 目にとってコンタクトレンズを入れることは“不自然”なことなのです。 “自然”なことに近づけるために、レンズの素材の酸素透過性や水濡れ性、耐汚染性を上げ、 またデザインを工夫して装用感を良くすることが続けられています。 それでも間違った使い方や、目に合わないレンズを使うことで目に障害を起こしてしまうのです。 使い捨てレンズが登場して以来、コンタクトレンズはぐっと身近なものになりました。 性能も大きく向上しています。 ただ、それでもコンタクトレンズは目には異物であることは変わっていないのです。

2.コンタクトレンズの種類について

 レンズの素材に水分を含むソフトレンズと、水分を含まないハードレンズに大別されます。 さらにソフトレンズは、使い捨て(disposable)タイプと従来(conventional)タイプに分けられます。 以前はハードレンズとソフトレンズは半々くらいでしたが、使い捨てレンズの登場以来、 圧倒的にソフトレンズの使用者が多くなっています。
 ハードレンズはその素材の酸素透過性で、ある程度グレードが分かれています。 レンズの寿命は大体2~3 年といわれています。
 ソフトレンズは、素材の含水率の高低とイオン性・非イオン性によって4 つのグループに分かれます。 さらに、最近ではシリコンを使った新しいレンズも登場しています。 従来型のレンズは1 年半くらいが寿命とされます。 使い捨てレンズには、一日タイプ、1 週間タイプ、2 週間タイプ、1 ヶ月タイプ、3 ヶ月タイプがあります。 一日タイプ以外は、消毒をして再使用しますので、純粋な意味では使い捨てではなく、頻回交換レンズと呼ばれています。
ハードレンズ、ソフトレンズともに、近視用・遠視用・乱視用・遠近両用があります。

3.コンタクトレンズの選択のポイント

 まず屈折異常・視力の状態を正しく測ることが第一です。 間違った度数のレンズは、目の疲れや頭痛の原因になります。 そして、結膜炎や角膜炎、ドライアイなど目に異常がないかを確認します。 “異物”を入れるのですから、健康な目でなくてはなりません。
 次にコンタクトレンズの性能のうち、どれを最も重視するかを考えます。 装用感の良さなのか、視力矯正能の高さなのか、手入れが楽なものがいいのか、コストの低さなのか、 酸素透過性の高さなのか、基準はいろいろあります。 勿論これらすべてを満たすものがあれば一番なのですが、それぞれのレンズに一長一短があります。 視力矯正能からいえば、ハードレンズですが、装用感はソフトレンズに大きく劣ります。 コストから考えると従来型ソフトレンズですが、酸素透過性は使い捨てレンズに比べ見劣りしますし、 手入れも少々手間がかかります。 となると、使い捨てソフトレンズが選ばれやすいことになります。 事実、使い捨てソフトレンズは年々シェアーを拡大し、新製品はほとんどこのタイプのみです。
 使い捨てレンズにも、汚れが付きにくいもの、紫外線を吸収してくれるもの、 丈夫なもの(逆にいうと破けやすいもの)、ハンドリング(取り扱い)が易しいものなど選択の基準があります。
 眼科専門医による正確な診断のもとに、自分の目の状態・ライフスタイル・性格に合ったコンタクトレンズを、相談しながら決めていきましょう。 目の健康を守るためにも、ぜひ眼科主治医をお持ち下さい。

4.適切なケアー方法、コンタクトレンズの正しい使い方について

 ハードレンズは、水道水で洗えますが、付着物を防ぐために擦り洗いをして保存液につけてください。 定期的な蛋白除去も必要です。ケースも最低でも1 年毎に変えましょう。 女性の方は化粧品がレンズにつかないように、指先も軽くクリナーで洗ってからレンズを取り扱うといいです。
 ソフトレンズは、洗浄と消毒が必要です。水分を含むために細菌が付きやすいためです。 以前は煮沸消毒のみでしたが、最近では、化学消毒が主流です。 その中でも一本の液で洗浄、すすぎ、消毒ができるMPSが多く使われています。 このタイプは便利ですが、擦り洗いが重要です。擦り洗いが面倒という方にはお勧めしません。 またケースも必ず3ヶ月毎に交換してください。 近年、2社(1社は海外のみ)の製品が自主回収になりましたが、消毒力に問題があった、もしくはあったのではないかとされたためです。 化学消毒には他に、過酸化水素を用いるものがあり、消毒力も強く安心です。 ただ中和しないとレンズを目に入れられません。 時々、中和せずにレンズを入れたために、激痛を訴えて眼科受診される方はいらっしゃいます。
 最近登場したシリコン含有ソフトレンズは、ケアー用品との相性の良し悪しがあるといわれています。 レンズメーカーの推奨するものをお使い下さい。 ケアー用品についても、目の状態から変更が必要な場合もあります。 レンズを処方される際、定期検査の際に眼科主治医にご相談下さい。
 コンタクトレンズは高度管理医療機器の一つです。 眼科専門医による正しい処方のもとに、ご自分でしっかりレンズを取り扱えば、安全で便利なものです。 そのためには、日々のレンズの管理、定期検査が重要です。 最近では長期間連続装用も可能なレンズも登場し、その性能は高まるばかりですが、 そのレンズを装用する目の状態次第ではせっかくの高性能も生かせないばかりか、 逆に無理な使い方をして目を傷めることもあります。 何か異常があったときは、レンズの装用を中止して、眼科主治医にご相談下さい。
快適なコンタクトレンズ装用を続けるために、ぜひお守り下さい。

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