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コンタクトレンズによる眼障害-有村眼科 有村仁志-

コンタクトレンズ(以下CL)は直接目に触れて視力を矯正する医療用具です。 そのため眼鏡に比べて、視界が広い、強い度数でも自然に見える、CLをしているのが 他の人からは判らない、スポーツ等の時もずれたり曇ったりすることが少ない、 等利点は沢山あります。逆に目に直接触れることが、使い方を誤ると眼に障害をおこしてしまいます。 主なものを挙げてみましょう。

I.黒目(角膜)の障害

1.黒目のキズ	軽いものは、よく使い捨てCLでみられる点状表層角膜症で主に乾燥が原因でおこります。 また、ケアー用品が原因でおこることもありますので目薬を使っても改善しない時はCLやケアー用品のタイプを変更する必要があります。 更に、汚れたCLの使用等でおこる角膜びらん、細菌等の付着による角膜炎など、 より重篤なものになっていきます。 普段とCLの着け心地が何か違うなと思ったら、CLを中止して眼科を受診して下さい。 受診される時は、今まで使っていたCLも一緒に持って行かれると良いでしょう。 まずはCLを中止することが大切でそのためにも度のあった眼鏡は持っておいて下さい。
2.黒目の細胞の減少	最近のCLの性能はどんどん良くなっています。 それでも使い方に無理があったり、眼に合わないレンズを使っていると黒目の酸素不足がおこります。黒目の縁に血管が入ってきたり、黒目のキズがなかなか治らなかったりします。ひどい場合には黒目の内側の細胞(内皮細胞)が減ってきてしまいます。この細胞は再生しないので、 あまりに減ってしまうと今後CLが使えないだけでなく、将来眼の手術を受ける時大きなリスクになります。 定期検査でチェックしてもらいましょう。

II.赤目(結膜)の障害

代表的なものにアレルギー性結膜炎があります。これには、元々花粉症などのアレルギーをお持ちの場合と、CLによってアレルギー性結膜炎がおこる場合とがあります。(勿論、その両方の場合もありますが)
一般に花粉症などで痒み等症状が強い時はCLを中止して、眼鏡で過ごされた方が良いです。 これはCLそのものの刺激や、CLに付着した花粉等の刺激で、アレルギーをひどくしてしまうからです。 どうしてもCLを外せない場合は、眼科主治医と相談して、点眼薬の処方やCLタイプの変更等も受けて下さい。
一方、CLによっておこるアレルギー性結膜炎は、レンズに付着した蛋白質等の汚れが原因です。 現在は色々なタイプのケアー用品が販売されていますが、簡便性を主張するものが多く、 その汚れを落とす力も様々のようです。基本的に擦り洗いが汚れを落とすには効果的だと言われています。 レンズのタイプによっては定期的な蛋白除去も必要です。 先にも触れましたが、ケアー用品に対してアレルギーも出ることがあります。 自分にあった(眼の状態はもちろん、ライフスタイルや性格までも含めて)CLやケアー方法についても 眼科主治医に御相談下さい。CLを快適に使うためにも定期検査は必ず受けて下さい。